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とある青い少年の日記。(一部抜粋)

日記5

9/1
父さんの仕事の関係で、新しい街に引っ越してきた。
「表向きはね?」と言って笑う父さんが、裏で何をしているのか、僕は今でもよくわかっていない。
ただ、大きな赤いルビーを見かけたら、必ず父さんに報告するように、と言われていた。

ここは自然がゆたかで空気もおいしい。
近所に住んでるガトレーズ邸へ挨拶もしてきた。
一人息子のガナッシュくんにするどい目つきでにらまれた気がするのだけれど、仲良くできるだろうか。




9/6
今日もガナッシュくんと会ってきた。
彼は父親と2人暮らしで、その父親も家を空けがちだと聞いたので、
寂しくならないようにと遊びにさそったのだが、余計なお世話だっただろうか。
僕より3つ年下で、あいかわらず目つきはするどいのだけど、悪い子ではない事はすぐにわかった。
彼は「子供扱いするな」と怒っていたけど、なんだか弟ができたみたいで僕はうれしくて、つい彼の頭をなでてしまうのだ。
「くん」を付けるとあからさまにふきげんになったので、今度から気を付けよう。




9/30
父さんとガナッシュと一緒に、動物園へ遊びに行った。
というのも、彼が今まで一度も動物園へ行ったことが無いと話したからだ。
ここから動物園までそう遠くないというのに、おかしな話だ。
いや、よその家庭の事に口を出すのはやめよう。
ガナッシュは初めての動物園に目をキラキラかがやかせていたけれど、
それを僕に知られるのがイヤだったのか、なんでもないフリをしていて、それがまたおもしろくて、少し胸が痛んだ。
「ふれあいコーナー」のウサギには特にきょうみを持ったみたいで、
ふわふわのウサギにほおずりしながら長いこと抱きしめていた。
彼が笑った顔を見たのはこれが初めてで、うれしくて、僕もつられてほほえんだ。
よっぽどウサギが気に入ったのだろう。
また一緒に会いに行こうね。





10/26
父さんからきらきらとかがやく懐中時計をもらった。
「戦利品だ」と言っていたけれど、「何の?」と聞く勇気が僕には無い。
大きなひし形のレリーフがとても美しく、僕はすぐに気に入ってしまった。
ガナッシュにも見せに行ったのだが、彼には僕と同じようなじまんの宝物が無かったせいか、
捨てゼリフをはいて走って帰ってしまった。
浮かれていたとはいえ、悪いことをしてしまったようだ。
今度会ったらちゃんとあやまろう。





10/28
おととい、くやしい思いをしたせいか、ガナッシュは家から宝物を持ってきて僕に見せびらかしてきた。
赤くて大きい、ひし形の宝石。
すぐに父さんの言っていたルビーだとわかった。
僕はおどろいて、でもあんまりにも得意げに話すガナッシュを見ていたら何も言い出せなくて、
その日はそのまま家に帰ってきてしまった。
父さんはちょうど1週間ほど家を空けると言って出て行ってしまっているし、
もうすこし様子を見てからでも遅くはないだろう。





11/4
今日はガナッシュの9才の誕生日だ。
前から用意していたまんまるのウサギのぬいぐるみをプレゼントした。
彼はお決まりの「子供扱いするな」というセリフとともににらみつけてきたけれど、
うつむいて、顔を赤くしながら、「もらってやらないこともない」と言って受け取ってくれた。
小さく「ありがとう」とつぶやいてくれた気がしたけれど、気のせいじゃないといいな。





11/5
近所の人の叫び声が聞こえたから、何かあったのかと思って家をとびだして、おどろいた。
ガトレーズ邸が火事で燃えていた。
火はその日のうちに消えたが、焼けた死体で発見されたガナッシュのお父さんは、体に刃物で切りつけられたあとがあったらしい。
何かの事件にまきこまれたんじゃ、とヤジ馬の人達がウワサしている。
ガナッシュは今でも行方不明のままだ。
昨日会ったばかりなのに。どこへ行ってしまったのだろう?
いや、もしかして。もしかして。
今日帰る予定だった父さんも、まだ姿を見せないし連絡もつかない。

何か嫌な予感がする。










(ページが破り去られた跡がある)









11/10
今日はガナッシュのお葬式だった。
彼の家は父親との2人暮らしだったが、遠方に住んでいた親族が式を手配してくれたようだ。
「父親が犯罪者で…」「ひどい拷問を受けて殺されて…」と、式に参加していた近所の人が、心無いウワサ話をしていた。
花を持って、棺桶に入れられた彼を見たら、いろんな感情があふれてしまって、涙を流すことができなかった。
棺桶には彼の好きだった赤いバラがしかれていて、体の部分は花でほとんどが埋めつくされていたから、
あの心無いウワサ話もあながち間違っていないと気付いて、さらに気分が沈んだ。
僕は彼にたむける花と一緒に、赤い宝石を彼の首元にそっと飾って置いた。
(これは近所の雑貨屋で見かけたおもちゃの宝石で、彼が持っていたルビーとは違う。あれは今でも行方がわかっていない。)
彼の最期を思うと胸がはりさけそうだったが、どうか、やすらかに眠ってほしい。




11/12
けいさつの人がガナッシュの遺品であるメモ帳を持ってやって来た。
彼の遺品はほとんど処分されたようだが、この日記がわりのメモ帳に僕の名前があったらしく、わざわざ届けにきたらしい。
その時はちゃんと受け取って、今でもこの机の中にそのメモ帳はあるのだけれど、
血で汚れたソレを見るのはきっとつらいことだし、今の僕にはとてもたえられないだろうと思う。
だから中は見ないでそのままにしてある。
いつかそれを見る日が来たのなら
いや、
もうやめよう。
日記を書くのは今日でもう終わりにしようと思う。





















古い日記帳を見つけて読み返してしまった。
もう10年以上前の話になるというのに、あの日々の出来事は今でも鮮明に思い出せる。
青い革紐と小さな鍵を用意してきた。この日記は鍵をかけて書庫の奥の、ずっと深い所に眠らせておこうと思う。
エリーゼは今頃私の帰りを首を長くして待っているだろうし、お腹の子供も順調に大きくなってきている。
何も憂う事のないこの日々の中に、あの時に感じた、何か嫌な心のざわつきを覚えるのは私の気のせいなのだろうか。
願わくは、明るい幸せな未来と、絶望に囚われた彼とその過去に救済を。

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ゲームとお菓子と少年が大好き。
あとお絵描きも好き。
人見知り激しいのですが、かまってくれると喜びます。

 
 
 
 
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